こんにちは。
講師の藤原です。
今日は物理に関係するお話をしたいと思います。
皆さんはコリオリの力という言葉を聞いたことはありますか?中学校の理科や高校の物理では学習しないので、あまり馴染みはないかと思います。
このコリオリの力は慣性力の一種です。慣性力に関しては少し学校の学習内容でも触れているので皆さんもご存知だと思います。中学校理科の1分野の内容で扱われる慣性の法則の例として頻繁に挙げられる「電車内で吊り革に掴まっている人が停止時に進行方向に力を受けるように感じられる」というものも慣性力です。また、高校物理で学習する遠心力も慣性力の一種です。このように、加速度をもった物体上で観測される仮想的な力を慣性力と呼びます。
では、コリオリの力がどのような慣性力か説明します。式を用いて一から説明するとなると難しくなってしまうので、実際の現象を挙げます。
まず、自分が回転している円盤上の中心に立ったとします。そこから、その円盤の円周上にある特定の点を狙って真っ直ぐボールを転がしたとします。この円盤が左回りに回転している場合、そのボールは真っ直ぐ投げたつもりの方向から右側に逸れていきます。右回りに回転していた場合は左側に逸れていきます。これと同じ実験を静止した地面の上で行えばボールは逸れずに真っ直ぐ進むはずです。しかし、回転した円盤上ではそうはいかないのです。これがコリオリの力による影響です。
要するにコリオリの力とは、回転運動している物体上で感じられる慣性力ということになりますが、遠心力は回転運動している物体上で静止していても感じられるのに対し、コリオリの力は回転運動している物体上で上記のボールの例のように速度をもたないと感じられません。
さて、このコリオリの力はどのようなところに影響を及ぼしているでしょうか?
ここで考えてもらいたいのが、地球が自転しているということです。地球が回転運動している物体だとすれば、その上を運動する物体はコリオリの力を受けるはずです。
例えば、その影響を受けているのが風です。北半球では、風が進行方向に対して右に逸れます。北極から赤道方向に吹く風は西寄りに、赤道から北極方向に吹く風は東寄りになるのです。もちろん、コリオリの力の影響を受けるのは風だけでありません。例えばミサイルを南から北の方向に飛ばそうとすればミサイルは速度をもっているわけですから、右方向に力を受けることになります。それも考慮してコントロールしないといけないわけです。極端な話、皆さんが二人でキャッチボールをするときも、そのボールはほんの少しですがコリオリの力を受けているのです。
このように物理的な観点から現象を考えることはとても面白いです。図を用いずに説明したためわかりづらかったと思うので、もっと知りたいという子は教室で聞いてください。もっと詳しく説明します。
それではさようなら。
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