私立高校の基本的な流れ
私立高校の推薦をもらうまで・・・埼玉県では、東京都などのように中学の担任と私立高校の間での接触がありません。
そのため中学校任せにしていると、受験では後手を踏むことになります。
夏休み以降2学期には、積極的に気になる高校を見つけ学校説明会に参加されることをお勧めします。
a.学校説明会
私立高校では、6月〜12月にかけて学校説明会を複数回実施します。
b.個別相談
コロナ禍になってから、学校説明会と個別相談会はほとんど一緒に行われています。
事前予約がほとんど主流となっています。
個別相談とは、生徒と保護者の方で高校に訪問して行う3者面談です。
その際は北辰テストの結果や通知表のコピー(ここ数年は1〜3年時のものをすべて)を持参してください。
北辰偏差値・内申の基準値を超えていると、当日の入試できわめて有利になります。
(例)私立A高校の推薦基準
【単願推薦】
内申(5科) 15
内申(9科) 27
北辰偏差値 50
【併願推薦】
内申(5科) 16
内申(9科) 30
北辰偏差値 53
3年1学期・2学期の内申点、もしくは7月第3回〜12月第7回の北辰テストで上記の数字を上回っていることが合格の基準になります。
c.受験日
埼玉県は1月20日頃から私立高校推薦入試が開始いたします。
推薦入試でも過去問を購入し、遅くとも1ヶ月前にはおこないましょう。学校ごとに違いますが、当日の入試によりクラス分けの参考にされたり、またスライド合格でさらに上のコースの合格をしてもらえることもあります。
3.私立入試のまとめ
a.学校説明会に積極的に足を運んでください。
私立高校入試説明会の日程をご確認下さい。
b. 受験校が決まったら、過去問を購入してください。
c.7月以降の北辰テストは毎回受験しましょう。
d. 希望の高校に偏差値が足りなくてもチャンスはあります。
個別相談に行き、正直に現在の成績を話してみましょう。
偏差値が足りない場合でも、内申点等で推薦がもらえることがあります。
もしもらえなかった場合も諦めてはいけません。
北辰テストで結果を出して、もう一度個別相談に足を運んでみましょう。
e. 埼玉県私立高校では『北辰テスト』が重要視されます。
北辰テストの結果や中学校の通知表を学校説明会や個別相談会にもっていっていただくと合格へのアドバイスをいただけます。
埼玉県では、単願併願かかわらず、個別相談をして、事前に受験の意思を伝え、受験という流れがほとんどです。
f. 東京都私立高校は、推薦入試(前期)と一般入試(後期)があり定員比はだいたい半分です。
推薦入試では『通知表』が重要視されます。
また、一般入試では、学力試験が重要視されます。
学校数が多いので、自分の希望進路や学力をきちんと踏まえた上で、受験を決定しましょう。一部では埼玉と同じく「北辰テスト」の結果を加味してくれる学校があります。
g. 不明な点は、躊躇せず高校側に確認をしていきましょう。特に私立高校はこの部分が大切です。
また不明な点は塾を通して高校側に確認することも可能です。ぜひご遠慮なく教室までお問い合わせください。
公立高校入試概要
県公立高校では、平成24年度入試から前期・後期募集の2回の募集が全学科1回の募集に変わりました。入試が1回になったことで、「この高校を受験しよう」という「決断」の重みがさらに増しました。
入試関係の詳細情報のほとんどは、WEB上「埼玉県教育委員会」のホームページや「埼玉私学ドットコム」のホームページなどに記載されています。しかし、リンクがわかりにくくなっており、ほしい情報がなかなか手に入らないのが現状です。
1.入試日程
新中学3年生が受ける受験の正式名称は「令和5年度埼玉県公立高等学校入学者選抜」になります。
令和5年2月9日、10日、13日
入学願書、調査書、学習の記録等一覧表等の提出期間
※2月9日は郵送による提出
2月15,16日 志願先変更期間(1回のみ)
2月22日 学力検査
2月24日 面接・実技検査がある学科のみ
3月3日 公立高校合格発表
3月6日 追検査※
3月8日 追検査 入学許可候補者発表
※追検査はインフルエンザ罹患をはじめとするやむを得ない事情により学力検査を受検できなかった志願者を対象とする。
※追検査の入学許可候補者は、原則、募集人員の枠外で決定する。
※欠員補充の日程及び内容については、実施する高等学校において定める。
令和4年度公立高校の平均入試倍率が1.06倍となりました。公立高校第一志望の場合は、入試日が1回の為、志願先変更の際への第二・第三志望まで考えた志望校選びが必要となってきます。募集人員は例年6月下旬に発表されます。志願者倍率は「希望調査」として12月前後に発表されますが、参考程度にとどめておくのがいいでしょう。この数年は、4.5年前とは変わり、入試倍率が下がってきています。募集人員によっては、中堅高校の倍率も上る可能性があります。
2.入試形態について
a-1.学力検査
1日目で実施され、各教科100点の計500点満点となります。国語・数学・英語・社会・理科が各50分100点です。英語ではリスニング・国語では作文もあります。特に思考力・判断力・表現力等を見る問題では配点が高めに設定されています。
a2.選択問題
令和4年度埼玉県公立高等学校入学者選抜の学力検査において、数学又は英語の学力検査問題を「学校選択問題」で実施する学校は以下の22校です。
令和4 年度埼玉県公立高等学校入学者選抜における学校選択問題実施校
・浦和高校
・浦和第一女子高校
・浦和西高校
・大宮高校
・春日部高校
・川口北高校
・川越高校
・川越女子高校
・川越南高校
・熊谷高校
・熊谷女子高校
・熊谷西高校
・越ケ谷高校
・越谷北高校
・所沢高校
・所沢北高校
・不動岡高校
・和光国際高校
・蕨高校
・さいたま市立浦和高校
・さいたま市立大宮北高校
・川口市立高校
b.調査書
調査書
= @内申点 + A特別活動 + Bその他(検定等)
となり、全て点数化されます。
@ 内申点
中1、中2、中3(2学期まで)の成績までが高校に送られます。各学年の成績の比重は高校によって異なります。令和4年度の入試では以下の比率で検査が行われます。
高校別内申点の学年別比重(一部抜粋)
中1:中2:中3 中1:中2:中3
浦和 1:1:2 越谷北 1:1:2
浦和第一女子 1:1:2 越ケ谷 1:1:3
大宮 1:1:2 越谷総合技術 1:1:2
三郷工業技術 1:2:2 越谷東 1:1:2
浦和北 1:1:3 越ケ谷南 1:1:2
大宮武蔵野 1:1:3 草加 1:1:3
杉戸農業 1:2:2 草加南 1:1:2
南稜 1:1:3 草加西 1:1:3
A特別活動
生徒会・委員会・部活動などの活動が得点となります。
Bその他
英語検定・漢字検定などの資格取得、ボランティア活動、地域における社会活動が得点となります。
※特別活動、その他の項目の合計が内申点を超えないように各校で定められています。
毎年6月末〜7月上旬にかけて「公立高等学校入学者選抜における各高等学校の選抜基準」が発表されます。
詳細は県の教育委員会のホームページで確認できます。
c.面接
2日目に一部の高校では、面接試験が実施されます。形式は学校によって異なり令和4年春には全日制で68校が実施しました。
d.実技検査
2日目に一部の高校では、実技試験が実施されます。学校・学科の特色に応じて行う、各学校が指定する内容に関する検査を行うものです。令和4年春には全日制の10校で実施しました。
3.選抜方法
上記の
a.学力検査、b.調査書、c.面接(実施校のみ)、
d.実技試験(実施校のみ)
の得点を「加点方式」で選抜がおこなわれます。合計点に各高校で定めた定数をかけて求められる得点の合計にもとづき、点数の高い受験生から順に合格となります。
埼玉県立高校の選抜は2回に分けておこなわれます。
1次選抜で60〜80%が合格となり、残りの定員を2次選抜で決定します。学校によっては3次選抜をおこなう場合があります。
1次選抜、2次選抜では「学力検査の得点」と「調査書の得点」の比率が、異なっております。
各高校が学力検査試験重視で選抜するのか、調査書を重視での選抜をするのかで各校の選抜方針が色濃く比率に反映されると言えます。
≪浦和北高校を受験したA君の場合≫
浦和北高校の配点
学力検査…500点 調査書…300点
内申点…225点
内申比率1:1:3の為、
中学1年【45点】 + 中学2年【45点】+中学3年【135点】
特別活動…60点
その他…15点
内申点(225)+ 特別活動(60)+ その他(15)=300点
●第1次選抜(80%を入学許可候補者とする)
学力検査:5教科×100点=500点
調査書:300点×1.12(定数)=336点
その他:実施しない
合計836点満点となります。
●第2次選抜(17%を入学許可候補者とする)
学力検査:5教科×100点=500点
調査書:300点×0.72(定数)=216点
その他:実施しない
合計716点満点となります。
●第3次選抜(3%を入学許可候補者とする)
第1次選抜における合計得点の一定の順位の者を対象に、調査書の「特別活動等の記録の得点」、「その他の項目の得点」で選抜する。
A君の得点
調査書の得点
内申点 中学1年→27(27×1)
中学2年→27(27×1) 合計 144点
中学3年→90(30×3)
※特別活動 30点
※その他 10点
特別活動・その他については、各高校で得点化され受験者が知ることはできません。
(144+30+10)× 1.12 = 206
となり、336点満点中206点獲得したことになります。
学力検査
入試当日に行う5科の学力検査の得点 320点
第1次選抜では
調査書(206点)×定数(1.12)+学力検査(320点)=
526点
836満点中526点が、A君の総合得点となります。
第2次選抜では
調査書(206点)×定数(0.72)+学力検査(320点)= 468点
716万点中468点が、A君の総合得点となります。
4.その他公立高校情報
a.さいたま市以外の市立高校を受験する場合少し難易度が高くなるので注意が必要です。川口市立、市立川越などです。
b.学科が2つ以上ある高校では、第二志望まで願書に記入して提出できます。例えば、いずみ高校を挙げると生物学科を第一志望にし、環境学科を第二志望にできます。
c.不登校生には各高校5%以内の枠で特別枠がありますが、これは合格を保証するものではありません。(詳しくは事項5.を参照ください)
d.難関校や附属高校を除くと、一般的に公立高校より同レベルの私立高校の方が大学進学の良い実績を出しています。
※8月〜10月に公立高校の「体験学習」と「学校説明会」があります。日程に注意
※9月には文化祭も多くの学校で開催されます。各高校のホームページで日程の案内が発表されています。
※遅くても2学期末(11月〜12月)には過去問を揃えておきましょう
5.不登校の生徒を対象とした公立高校選抜
不登校の生徒を対象とした公立高校選抜について
不本意に中学校生活を過ごしてしまった生徒を対象として、行う受験の選抜方法となります。通常の選抜方法では、内申点と学力検査を点数化した合計で判断されますが、こちらの選抜方法では、学習の記録(内申点)をみないで選抜を行います。そのため、3月に行われる学力検査での点数を高校がみて、その高校で学習していけるかを判断し、合否を決めます。
a.募集人数
不登校の生徒への募集人数に上限は設けない。
各高校の判断に従い、選抜をする。
b.実施する高校
全日制課程及び定時制課程の全ての高校・学科で実施する。
c.出願資格
令和5年3月に中学校を卒業する見込みの生徒で、在学中学校校長が、不登校の生徒を対象とした特別選抜による出願に該当すると認めたもの。
6.公立高校受験のまとめ
a.出題傾向は、前年度までの一般入試の問題と大きく変わることはないので、過去問題を活用しましょう。
b.内申点が非常に重要になるため、提出物や授業態度を普段から意識し、定期テスト対策は万全にしましょう。(遅くとも3週間前までに始められるようにする。)
c.特に中3の内申点に関しては配点が非常に大きいです。3年の1・2学期の定期テスト対策は時間をかけてしっかりと行っていきましょう。
出題傾向は、1・2年生の範囲からも多く出題され、また、選択式よりも記述式の問題の出題数が多くなっているのが特徴です。
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