よく生徒から「〇〇点とるにはどれくらい勉強すればいいですか?」、「先生は受験のとき、どれくらい勉強していましたか?」といった質問をよく受けます。
正直に言うと回答に困る質問です。
生徒個々の学力と目標とのギャップも異なりますし、私自身がやっていた勉強の内容や量を正直に伝えることは出来ても、今までこの仕事をしてきた知識や経験から言えば当時の自分は大きな誤りも犯しているからです。
また色々な勉強法の知識を伝授することももちろんできますが、合う合わないもあります。
勉強に限らず何かを得意にしたい、何かで結果を出すためには練習が必要です。どんな分野であれ、努力を積み重ねた者が成功者になります。
皆さんは松井秀喜という元プロ野球選手を知っていますか?
今の生徒に松井元選手のことを話題にしても、野球好きの男の子でも知らない子が多いのですが、お父さんお母さん世代であれば野球に詳しくない方でも皆さんご存知なのではないでしょうか。
松井秀喜は高校生の時から注目されていました。188pの大きな体躯は打席に立つとひと際威圧感がありました。風貌だけではなく、高校通算打率.450、本塁打60本の成績が示すように、稀代の高校球児でした。高校3年生の時の夏の甲子園では相手チームから5打席連続で敬遠を受け社会問題にもなりました。
松井秀喜は巨人入団後も活躍を重ね、2002年に世界最高峰のアメリカメジャーリーグ、NYヤンキースへ移籍しました。そこでは苦労を重ねながらも相変わらずの勝負強さを発揮し、2009年にはチームを優勝に導くと日本人初のワールドシリーズMVPを獲得しました。
そんな松井選手が引退後、少年野球の練習後、子供たちから質問に回答している動画があります。
https://www.youtube.com/watch?v=gYpxhbqqPPQ
少年「小学生の頃は何回素振りをしていましたか?」
松井「いい質問だねー。あんまりしてなかったけどね(笑)。100回くらいかな。でもね、数じゃない。気持ちを込めてちゃんと振る。ただ振るのは簡単だから。気持ちを込めて振る。回数はどうでもいいから。そっちの方が大事だから」
少年「何でそんなに打てるんですか?」
松井「やっぱ練習するしかないよね。いいバッティングだった。今のはダメだった。そういうのを1回1回反省して今のよかった>というのをどんどんどんどん増やしていく。そういう積み重ねだから。そしたら打てるから」
勉強にも通じる話だと思います。
勿論、勉強時間や勉強量を増やすことは大事です。でも、何となく勉強の時間を過ごしても、いい加減に量をこなしても、なかなか成績は伸びません。
「これは上手く速く解けたな」「解けたけれど、時間がかかってしまったな」「もっと上手いやり方があったな」これが1回1回の反省です。
「計算が正確になりたい、速くできるようになりたい」、「応用問題が解けるようになりたい」と気持ちを込めて問題を解くと飲み込みは早くなりますし、上手く解けなかったときやテスト結果が芳しくなかったときも「どうしてよくなかったんだろう」と考える反省をしながら、「今のはよかった」という成功体験を積み重ね、それが自分にベストの勉強法や理解の仕方の確立へと繋がっていくのです。
勉強だけではなくて部活動でも言えることですよね。
気をつけなければいけないのは、気持ちの込め方を間違ってはいけません。
「〇〇に合格したい」「〇〇点とりたい」「偏差値〇〇以上になりたい」これらは目標であって、これらを念じたって仕方ありません。松井元選手だって「プロ野球選手になりたい」「野球選手として成功したい」という目標があったから「上手くなりたい」「たくさん打ちたい」という気持ちを込めて練習したのです。勉強であれば「設問を解けるようになりたい」というのが正しい気持ちの込め方です。
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