【中学校1年生で最も差がつく教科の数学】
数学は5教科の中で最も点数差がつく教科です。
中学校初の定期テストは難易度も少し易しめに設定されて、テスト範囲も比較的狭いので、クラスのトップ層と下位層との点数差は20〜30点程です(平均点は75点前後と高めです)。満点をとってしまう生徒もまだ珍しくありませんし。
最初のテストということもあり殆どの生徒が緊張感を持って臨むのもその要因でしょう。部活もまだ始まったばかりで体力的にも余裕があります。
ところが部活が本格化し、初めての定期テストを経験した後、じわじわと差がついてきます。学年トップクラスの生徒は中々崩れませんが、2番手層以降は点数が少しずつとれなくなってきて、小学校から数学に苦手意識のあった生徒は、いまだかつてとったことのない点数にショックを受けることも多々あります。
【小学校のうちにやっておきたいこと】
理想を言えば、小学校内容の全復習(特に高学年分)をしておきたいです。
とは言え、全復習をしなければいけない「算数が苦手な子」「算数が嫌いな子」ほど、この作業に億劫になってしまうものです。
問題集を1冊買って手をつけるまではいいものの、半ばで挫折してしまう生徒は実に多いです。そして、やはりそうなのですが、このような生徒から数学の点数を落としておきます。
では、「数学が苦手な子」「数学の嫌いな子は」はどうやって中学校の数学に備えて行けばよいのでしょう。
今回は、その方法をお伝えしていきます。
【短期的にできること】
ポイントを絞って復習する
まずお子さんのテストを保管してあるファイルを準備してください。
何枚もテストが閉じてありますが、それらを
@100点
A90〜99点(ケアレスミスによる失点のみのもの)
B70〜89点
C70点未満
と分類します。
この中の@Aは特に復習する必要はありません。復習用の問題集を1冊買ったとしても@Aの単元は飛ばして貰って構いません。「もったいない!」と思うかもしれませんが、時間の方がもったいないです。「できないこと」を「できること」にして初めて点数は上がります。もう「できている」ことを過剰に繰り返しても点数はあがりません。
BCの単元のみを集中して行いましょう!
計算の基本ルールや面積、体積、割合、速さなどの公式の確認は短期集中で行ってやり方を身に着けて下さい。
【苦手克服は短期的ではなく長期的に行うもの】
算数の復習を全部やっていたら、それこそ1ヶ月以内の短期間では絶対にできません。
算数が大の苦手!という子であれば短く見積もっても3か月はかかります。
それでは、重要な小5から小6の内容をやればいいかと言うと、それでもやっぱりやることが多すぎます。それに、小学校でじっくり習って理解できないところが、1ヶ月程度見直したからといって簡単にできるようになるはずがありません。
さらに技術的なことを言うと、中学になっても算数を分かっていない生徒に算数の本質をちゃんと教えるのは、プロの教師でも難しいです(できる先生をめったに見かけません)。
保護者の方が教えるとしても、生徒が自力で克服するとしても、プロの教師でも難しいものを自力でやるのもご家庭内で行うのも無理な話です。
しかも生徒が苦手意識を持っているとしたら、短期間での克服はあまりにハードルが高すぎます。それができる子は、もともと復習の必要の無いレベルの子ですからね。
ですから焦らず時間をかけて徐々に算数数学嫌いや苦手意識を克服していって下さい。
とは言え中学校入学に向けて短期的にできることはしっかりやっていきましょう。
できれば中学校1か月前の3月は中学校の予習を始めたいので、1〜2月にかけて短期集中的に復習をしましょう。
【苦手克服は長期的な課題】
算数が苦手な子と言っても、タイプは色々
まず、お子さんの細かい理解度を把握することです。
「算数が苦手」と言っても
・基本的な計算はできるけれど、複雑な計算になると苦手な子
・文章題に拒絶反応を示す子
・文章題を読むのが苦手な子
・文章題の意味を取り違える子
・文章から式をつくるのが苦手な子
・数量の定義(単位量、速さ、割合、比など)が理解できていない子
・数量の定義は理解できているけど問題が解けない子
・逆に問題は解けるけど、本質をちゃんと理解できていない子
この中の1つだけが当てはまる子もいれば全てに当てはまる子もいます。
苦手意識を払拭し算数嫌いを克服していくにはこれらの項目を一つ一つケアしていく必要があります。
90点以上を目標にするならばすべて克服する必要がありますが、極端なことを言ってしまえば苦手意識を抱えたままでも平均点くらいの点数は目指すことができるのです。ただし、計算力だけはしっかり身についていることが前提です。分数や小数が混ざったもの、それから(かっこ)を含むものも計算できるようになっていて下さい。
計算のところだけでもしっかりできていれば、中学校の1年生のテストで極端に悪い点数をとってしまうことは絶対にありません。
【応用問題、文章問題への取り組み方】
文章問題が苦手という生徒は大変多いです。
見慣れているパターン化された問題は解けるけれども、言い方を変えると応用がきかなくなるというご相談もよく受けます。
この原因は読解力の不足です。
このようなタイプの生徒は文章の言葉を読まず、数字だけに注目がいっている可能性が極めて高いです。
文章題を解くときに大事なことは、算数数学の問題ではありますが、国語の物語文を読むときのように頭を使うことです。
どんな作業を行っているのか、どんなことを聞いているのか、しっかりまずは把握しましょう。そのうえで数字に着目してください。
文章題のコツはこの2段構えです。
@まずは文章内容を把握することに集中する。
A内容を把握したら今度は数字に着目して読み、立式する。
今日からこれを意識して文章題に取り組んでみましょう。
また国語と同じで文章を音読すると力がつきます。
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